−日記帳(N0.1496)2006年01月18日−
ライブドア粉飾疑惑で株価暴落
−日記帳(N0.1497)2006年01月19日−
ライブドア暴落のメカニズム


株価暴落を伝える電光掲示板

東京株式市場は昨日、「ライブドアショック」が広がり、同社が上場している東証マザーズやジャスダックなどの新興市場を中心にIT(情報技術)関連銘柄が急落し、ライブドアとグループ企業の計7社の株は朝方から売り注文が殺到し、値幅制限いっぱい(ストップ安)の売り気配で売買が成立しないまま午前の取引を終え、結局この日は462.08円安の15805.95円で終りました。今日もその基調は変わらず、80.31円安の寄り付きで始まって急落しましたが直ぐに買戻しが入って反転し始めましたが9時半過ぎになって再び下げに転じ結局、前日比410.29円(2.60%)安の15,395.66円で午前中の取引を終えました。

後場に入って50円ほど持ち直しましたので、やれやれと思ったのも束の間、1時過ぎから恐怖のジェットコースター暴落が始りました。私も今日は、朝からPC画面に見入っておりましたが午後1時頃から恐怖のジェットコースターのような下げが始りました。通常、ワンクリック、つまり約1秒間での株価変動幅は一桁か多くても10円台ですが、今日はそれが数十円単位で急落していくのです。私の持ち株の評価損も数十万単位で目減りしていきますので、途中から手が震えてクリックするのが恐くなって暫く止めました。10分ほどしてから再びクリックしたところ、驚愕しました。下げ幅は700円を越え800円に迫っていたのです。そして午後1時21分に746円安まで下げてしまいました。

こんな大暴落はこれまで経験したことがなく、これはライブドア関連の悪材料だけではなく他の悪材料が相乗していると直感しましたが、まさにそのとおりでした。マネックス・ビーンズ証券に続けて岩井証券が昨日、ライブドア関連5社に対する信用担保掛け目をいきなりゼロとする決定をしたため追証がかかった投資家による売りが売りを呼んだ上、東証が1時30分過ぎの段階で約定件数が344万株に達し売買停止になる恐れが有ることを示唆したため「売買が取引が出来なくなる!」「売れなくなる!」ことを懸念した投資家から売り急ぎの動きが強まるという悪材料が相乗したのが今日午後の暴落の原因でした。

評価損は200万円を遥かに超えてきましたので、破れかぶれになって、「止まれ!止まれ!」と念じながらクリックを続けていくと、1時21分に今日の最安値の746円安を付けてから急激に上げはじめました。下げ足も速かったですが上げ足も速く、700円台から僅か10分ぐらいで600円台になった1時30分過ぎに上げ足が止まり再び下げに転じました。これは東証が上述のように売買停止の可能性を示唆したのとタイミングが合致します。しかし2時過ぎから再び急激に上がり始め600円台、500円台、400円台そして2時30分頃ついに300円台の下げまで戻り、引け際に駆け込みの確定売りに押され、結局464.77円安の15,341.18円で今日の取引を終えました。こうして歴史に残る暴落相場は何時もより20分早く終了しました。

今晩、名古屋市内の居酒屋で大学時代の友人3人と新年会を開きました。彼らは経済的には恵まれておりますので、株式投資などは無縁だろうと思い、昨日のライブドア騒動には触れずに、お互いの近況の情報交換を話題の中心にしようとしたのですが、のっけからライブドアの話題で持ちきりで、結局2時間の殆んどをライブドア問題と株式投資に費やすことになってしまいました。

3人とも株式投資に興味有るどころか、実際にインターネットで売買をしているとのことでしたが、現物取引しかしていないのと、始めてまだ日も浅いこともあって今回のライブドア暴落の実態を理解していなかったようですので、自分もまだ初心者であることを忘れて、何故あのような全銘柄にまで暴落が波及したかのを得々と説明してしまいました。そこで私の勉強も兼ねてその時の説明を、株マニアや専門家の方には笑われそうな内容ですが恥を忍んで以下に纏めてみました。

暴落の初動要因
16日にライブドアの系列会社の粉飾決算の疑いが浮上したとして東京地検特捜部がライブドア、関連会社及び堀江社長等幹部の自宅等への家宅捜査がが行なわれたことから17日はライブドア及びIT関連の同類業種の株を中心に朝方から売り注文が殺到し結局この日は462.08円安の15805.95円で終りました。 特に他に悪材料が出なければ暴落はこの日だけに限定されるはずでしたが別の悪材料が売りを加速して出て翌18日は史上稀に見るジェットコースター暴落を招きました。

暴落の第一加速要因
株の売買には現物取引と信用取引が有ります。現物取引は全て自己資金で、信用取引は証券会社から株やお金をを借りることで信用供与を得て売買します。借りるにはそれに見合う担保を証券会社に差出す必要が有りその担保を持株にする場合が一般的でその担保価値は証券会社によって異なりますが80%前後が多いようです。ただその担保の銘柄の株価が大幅に下がって当初設定した担保価値が目減りした場合はその目減り分を現金や証券等で追証として2営業日以内に証券会社に差出さねばなりません。差し出さないと口座を凍結されたりして大変な事態になりますので万難を排して差しださねばなりません。

ところが、ある証券会社がライオブドアとその関連会社の担保価値をゼロと発表したため、該当する株を担保にしている投資家は他の銘柄を叩き売るしかなくその結果、それらライオブドアとは関係ない銘柄の株価も暴落することになります。「追証」がかかっていない他の投資家たちも、そのような暴落を見越してライオブドアとは関係ない銘柄の持株を売ろうとします。いわゆる狼狽売りです。この狼狽売りが売りを売りを呼んで殆んどの銘柄の株に広がっていくくことにんさり、これが今回の暴落の第一加速要因です。

暴落の第二加速要因
株式の売買は証券会社を通して最終的には東証などの証券取引所に集約されコンピューター処理されます。その殆んどは東証で処理されますが、その処理能力は約定件数で約400万件とされ通常の取引ではこの処理能力をオーバーすることはまず有り得ません。ところが、このように売買が膨らんだ上、ライオブドア株は1株が売買単位のため注文が細分化され、かつ最近はデートレードと言って、1日に何回も売買を繰り返すことも急増して処理能力オーバーし全ての株が売買停止になる恐れが出たため東証は18日の午後にその警告を出しました。

第一加速要因によって売り急いでいた投資家にとっては、もし売買停止になれば売りたい株が売れなくなりますので確実に売れるように低めに指値しますので、益々株価は下落していきます。これが、暴落の第二加速要因で18日に午後になって一時株価が700円を越す暴落を示したのはこのためです。

暴落の第三加速要因
このところ、米国の株価は比較的堅調な上、日本の株価との連動性が薄れておりましたので、ここ暫くは米国の株価の影響を受けることはありませんでしたが、たまたま16日にインテルとヤフーの業績が予想を下回ったことからIT関連の銘柄が失望売りされて下落しました。ライブドアも同じIT関連ということで、この「インテル・ヤフーショック」に連想売りに拍車がかかってしまいました。これが暴落の第三加速要因ですが、前二者に較べればその影響は小さいもののIT関連銘柄に暴落が集中する要因にはなりました。


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