−日記帳(N0.1501)2006年01月23日−
ITを利用しITで墓穴を掘った堀江
−日記帳(N0.1502)2006年01月24日−
H2Aロケット打ち上げ成功


パソコンに装着されているハードディスク

パソコンを廃棄する時に困ることが有ります。産業廃棄物ですから勝手に廃棄すると法律により責任を問われますし、2003年10月以前に販売されたパソコンは 「資源有効利用促進法」に基づき製造メーカーと消費者の負担により回収、処理することが義務付けられておりますので販売先に持ち込むか、専門業者に有料で引き取ってもらうしかありません。

ところが、パソコンでは、入力した情報を削除しても記憶装置のハードディスクが頑丈なため復元されてしまう恐れがが有りますので、重要な個人情報を入力した場合は廃棄の際にハードディスクから削除された情報を完全消去する必要が有ります。ハードディスクは磁性体を塗布または蒸着した金属のディスクを一定の間隔で何枚も重ね合わせた構造になっており、これをモーターで高速回転させて磁気ヘッドを近づけてデータを読み書きするしくみになっております。

ある時、誤って苦労して作成したファイルを削除してしまったことが有りました。電話で業者に復元を頼んだところ、まず復元できるか否かを調査するのに2万円ほどかかり、可能なら更に別途復元費用が数万円ほどかかると言われて諦めたことが有りました。ケースによっては復元できないことが有るのでこのようなことになるようです。一般的にファイルは「ファイル情報部分」と「ファイルデータ部分」に分かれてハードディスク等に記録されます。削除はその「ファイル情報部分」を一部変更することでパソコンでの操作では絶対に復元できません。しかし、「ファイルデータ部分」は、新たなデータが上書きされない限り残り変更された「ファイル情報部分」を元に戻すことで復元が可能となります。

ライブドアで堀江社長等幹部は重要な案件についての指示、回答等の業務連絡を文書や電話よりもメールを主体にして行なっていたと言われます。多分、文書では作成、配達、受取り、保管、廃棄に手間がかかって遅くなること、電話では周囲に聞き取られたり、盗聴されたりする恐れが有る上、記録として残らない場合が多いことで、それぞれ問題が有ると考えたからのようです。ライブドアの社員によれば同じフロアで僅か数メートル離れた社員同士でも口頭ではなくメールで打ち合わせることは日常茶飯事だっとのことでした。

そして、後で問題になりそうなメールの送受信記録は当然、堀江社長等幹部は削除していたのですが、今回の家宅捜査で押収した幹部たちのパソコンや記憶媒体からハードディスクを取り出して復元作業を行なったようです。宮内取締役が逮捕されて間もなく粉飾決算の容疑事実を認め始めたのは、こうした事実を知っており、復元されたらもはや逃れるすべは無いものと悟ったものと思われます。このように、メールというITの代表的手段に頼りすぎた結果が、逆にその盲点を突かれて墓穴を掘ったことになりました。まさに、「天網恢々疏にして漏らさず」で、天網をネットワークに例えるのならば、一見ザルのように粗めに見えるネットワークを一時的に掠めても結局はそれに引っかかってしまうことを物語っているように私には思えます。


打ち上げられたH2Aロケット8号機

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、今日午前10時33分、H2Aロケット8号機を鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げ、約16分後に搭載した陸域観測技術衛星(ALOS)「だいち」の分離と 電力供給源の太陽電池パネルの展開を無事完了し打ち上げに成功しました。「だいち」は、南極と北極の上空を通る高度697kmの極軌道を46日ごとに同じ地点を同じ時間帯に観測できる軌道を周回しながら地表を観測し1/25,000の地図作成のための地形データ収集などを行う重さ約4トンの国内最重量の衛星です。

日本で打ち上げられるロケットは2種類有ります。 一つは戦後、糸川東大教授が開発したペンシルロケットから発展していった文部省所轄の旧宇宙科学研究所の固体燃料によるM5ロケットで、日本初の人工衛星「おおすみ」を搭載して打ち上げられ世界4番目の衛星打ち上げ国になることに貢献し、現在は主に惑星探査機を軌道に乗せるためのロケットとして打ち上げられております。昨年、小惑星「イトカワ」に軟着陸した惑星探査機「はやぶさ」もこのM5ロケットで打ち上げられました。

もうひとつは、科学技術庁所管の旧宇宙開発事業団が米国NASAの支援を得て開発しN1、N2、H1を経て1985年にH2に発展し、現在はその改良型のH2Aが人工衛星を軌道に乗せるためのロケットとして打ち上げられております。しかしながら、H2ロケットの打ち上げ成功確率は決して高くなく、1機500億円もかかるため税金の無駄使いとして批判を受けてきた経緯があります。

しかし、今回の昨年2月の7号機に続く成功でH2Aロケットとしては8回の打ち上げて7回成功、H2合計では 15回で12回成功したことになり、信頼性が高まってきました。JAXAは来月2月中旬にもH2AロケットとM5ロケットを1回づつの打ち上げを予定しており、1カ月間に3機連続の打ち上げは初めてで衛星打ち上げ市場参入など、日本の宇宙開発の今後を占う試金石として注目を集めております。


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