−日記帳(N0.1509)2006年01月31日−
投機家と投資家
−日記帳(N0.1510)2006年02月01日−
プロ野球キャンプイン


先日、テレ朝の「朝まで生テレビ」でライブドア問題を採り上げていましたので、つい朝まで見てしまいました。録画してゆっくり見ればいいのですが、翌日が休みの上、白熱した討論に興味湧いて朝まで付き合ってしまいました。ここで敢えて採り上げましたのは、この番組の中であるパネリストが「デートレーダーは投機家であって投資家ではない」として今回のライブドア問題を引き起こした要因のひとつとして、市場が始ると直ちに安い株を買ってその日のうちに売ってしまう、いわゆるデートレーダーをやり玉にあげていたからです。

これに対して、反論気味に司会の田原氏が「では投機家と投資家はどう違うのか」と質問するとそのパネリスト氏は「投機家は会社ではなく市場だけをみて売買利益のみを狙うのに対して投資家は市場だけでなく会社をみて配当金を狙う」と言った主旨の回答をしていました。近代証券分析の父と言われるベンジャミン・グレアムが「賢明なる投資家」の中で「他の市場参加者を見て行動するのが投機家、投資家は他の参加者には目もくれず企業を徹底的に調べ上げて投資する」と喝破しておりますからほぼ同じような意味の回答だったように思います。

かく言う私も実はささやかに数日間で株を売買するスイングトレーダーのはしくれですから、そのパネリスト氏によれば投機家ということになります。では、投機家がライブドア問題を引き起こした要因のひとつになったのだろうか。確かにライブドアショックで約定件数が激増して東証のシステムが破綻しそうになったことは事実で、その約定件数の増大にデートレードやスイングトレーダーなどの短期取引が寄与したことは認めますがその最大の要因はやはり信用取引に絡む大量の狼狽売りと考えられます。

私も以前は、その会社の成長性を見込んで長期にホールドする投資家だったのですが、NY同時テロ、イラク戦争、原油高騰等その会社には無関係の要因でその会社の株が暴落して大損を繰り返した苦い経験から長期ホールドを敬遠するようになり、少ない資金で少ない利益を積み重ねてリスクを少なくするスイングトレードに転向したわけです。以前のように損しても税金を払い手数料も売買額の1%と高かった頃はスイングトレードなどはできませんでしたが現在のように損したら無税で100万円の売買でも手数料は往復3,000円程度で済むスイングトレードは極めて有効な投資法として位置づけられるようになりました。

確かに会社にとっては自社株を売らないで長期ホールドしてくれる投資家は大歓迎でしょうが、高いときに売りぬくものの安い時に買うことを繰り返して出来高を膨らましてくれるスイングトレーダーたちは、 例え投機家と言われようが、その会社のみならず証券会社、東証にとっても有り難い存在で証券市場の活性化に大きな貢献をしているものと思います。以上の考えで、市場にとっては投機家も投資家も同等であると結論づけたいと思います。






前 頁 へ 目 次 へ 次 頁 へ
inserted by FC2 system