−日記帳(N0.1533)2006年02月24日−
荒川選手の金メダルを讃える
−日記帳(N0.1534)2006年02月25日−
堀江、永田、前原に共通するものは



金メダルを獲得し表彰台に立つ荒川静香さん

トリノ冬季五輪が始る前に、米国のスポーツ有力専門誌「スポーツ・イラストレーテッド」は、恒例の五輪メダル予想を特集し、トリノ冬季五輪での日本のメダルをフィギュアスケート女子の荒川静香(プリンスホテル)とスピードスケート男子500メートルの加藤条治(日本電産サンキョー)の銅メダル2個と予想し、フィギュア女子は、金がサーシャ・コーエン(米)、銀がイリーナ・スルツカヤ(ロシア)。寸評には、浅田真央(グランプリ東海ク)が出場すれば金の最有力候補で、ミシェル・クワン(米)は期待薄としておりました。

日本のマスコミでは、おしなべて日本のメダル獲得数を5個以上と予想していただけに意外な気がしておりましたが、この専門誌はこれまでにもスポーツ競技で確度の高い予想をすることで知られておりますので、あながち無視も出来ないながらも日本をよくぞ見くびったものだと冷ややかにみておりました。しかし、現実はこの専門誌の予想に近い状態になっており、改めてその確度の高さに驚きを感じました。特に、冬季五輪の華とも言える女子フィギュアスケートのメダルの色はとにかく獲得者の点では完璧な予想でした。

そんなことを思い浮かべながら、今朝は早起きして女子フィギュアスケートの実況中継を観ておりました。そして、この専門誌の予想通りの展開となり、サーシャ・コーエン、荒川静香、イリーナ・スルツカヤの3人にメダル獲得者が絞られつつある中で荒川静香さんの演技が始りました。この時点でサーシャ・コーエンの得点が183.30でしたので、この点を上まわれば荒川静香さんのメダルの色は最終演技者のイリーナ・スルツカヤの得点如何で金か銀になるところでした。

そして、荒川静香さんの演技がはじまりました。開会式でオペラ歌手パバロッティが熱唱した「トゥーランドット」の曲に乗って彼女は綺麗な手足をしなやかに動かして優雅に滑っていきました。彼女は四つの採点項目のジャンプ、スピン、ステップ、スパイラルのうち技術力が劣るジャンプは回転数よりもコンビネーションを重視して最高難度のレベル4に拘らずその代わりその他の項目でレベル4を狙う戦略は既に昨年末に契約解消していたロシア人コーチのタチアナ・タラソワとの間で練られていたようでした。

そのためか、その結果、最初のトリプルルッツでバランスを崩したものの体勢を立て直す余裕を見せ、予定の3回転、3回転のコンビネーションでも瞬時の判断で3回転、2回転にして転倒を防いだミスはあったものの長い手を横一直線に延ばしての着地は白鳥が翼を広げたように美しく、そして難易度の高い多彩なスピンを披露し、持ち味の手放しY字スパイラルも規定の3秒間の持続にも成功し、評価対象にならない、身体を後ろに大きく反らせるレイバック・イナバウアーを演じた時点で彼女はメダルを確信したように思えました。その結果、125.32という彼女にとって過去最高点を獲得し銀以上が確定しました。

最終演技者のイリーナ・スルツカヤは、荒川静香さんの完璧に近い高得点に流石にプレッシャーを感じたのか、最初のジャンプで珍しく転倒し、その後もコーエンと同様に気を取り直して演技を持続したものの何時もの完璧な演技には程遠い内容でコーエンの点を下回る114.74に終わり、結局、荒川静香さんが2位に8.04の大差をつけて堂々たる成績で金メダルを獲得しました。

金 :荒川静香  191.34(66.02+125.32)
銀 :コーエン   183.30(66.73+116.57)
銅 :スルツカヤ 181.44(66.70+114.74)
4位 :村主章枝  175.23(61.75+113.48)


この3人に失態を招いた原因とその結果の因果関係に何か共通するものが有るように思えてなりません。まず、その結果系は明快で「世間を騒がし国民に損害を与えたり期待を裏切っている」ということです。民主党・永田議員はその気になって調べればすぐにもガセネタ情報と判るお粗末な偽造メールを本物と思い込み、意気揚々と衆院予算委員会で爆弾発言し結果としてガセネタと認め得ざるをえなくなって国会の権威を損なわせ、国民の利益を守る責任のある民主党の弱体化を招いたことで国民に損害を与えております。早い話、こんな失格議員に歳費を払うだけでも国民は損害を蒙っております。

次に、民主党・前原代表は、このガセネタ情報を充分な検証もさせないで予算委員会で発言する許可を与え、結果としてガセネタであることがほぼ確認されても本物であることの確証を得ているから「党首会談を楽しみにして下さい」と国民に約束しておきながら何ら確証なるものには一切触れず国民の期待を裏切っております。その結果、自民党の4点セットの不祥事件を追及することで国民の利益を守る責任のある民主党の弱体化を招いた罪いたことで国民に損害を与えております。更に、メールの真偽に明確な結論を出さずに、「ライブドアと自民党の間には巨大な影の部分が有る」と発言して問題を摩り替えようとする態度はとても公党の代表とは思えない言動です。

堀江被告は、証券取引法違反を犯してライブドアの株価を1/10以下にライブドアの株価を暴落させたことで株主に甚大な損害を与えただけでなくグループ会社の株価暴落に伴う追証による狼狽売りを招いてライブドアショックを引き起こし日本経済にも打撃を与えただけでなく国内外に東証システムの信頼失墜を招いた罪は極めて重大であるにもかかわらず本人は未だに罪状を否認し国民に対して謝罪すらしておりません。こうした彼の一連の行動によって蒙った国民の損害は甚大と言わざるを得ません。

そして、このような結果を招いた原因系は何かをいろいろ考えてみました。まず明らかに共通しているのは30代、40代の若さ、東大、京大を卒業または中退していることから秀才です。しかしこれだけでは原因系にはなり得ません。要は、若くて秀才であったが故にこれらが潜在要因となって彼等に何らかの「不足」を招いているものと考えます。では、何が不足しているかについて考えてみたいと思います。

まず、永田議員は東大工学部卒、UCLA留学のエンジニヤーにしては実にお粗末な実験をして失敗しております。例えば、名古屋刑務所の受刑者が高圧放水で死亡した事件の再現実験では実際の圧力より10倍以上の圧力を採用したことが露見して民主党として謝罪しております。また、不用意な発言や野次でも物議をかもしております。「創価学会は宗教法人として都に認められていない云々」と発言、選挙区の演説会では耐震強度偽装問題に触れ、「住民は火をつけたくてしょうがない、(阪神大震災では)激甚災害指定欲しさに被災者が火をつけてまわった」などと発言、更には野次が過ぎて松浪健四郎議員にコップの水をかけられるなどの経歴の問題児ですから彼の爆弾発言を充分チェックしなかった民主党の失態も責められるべきでしょう。彼にはその強い自己顕示欲を満たすに足る世間常識、実務経験がエリートであったが故に欠落し、それが故に議員としての「イロハ」が不足していたと考えます。

堀江被告は投資で成功して資金を得たことから企業家というよりも投機家という面が強く、苦労して会社を立ち上げることよりも既存の会社を買収することでライブドアグループを成長させたため、その途中のプロセスでの経験が欠如してしまいました。その欠如は違法な株価操作でも合法と考えるほどに企業家としての「イロハ」が不足してしまいました。もし、彼が企業家として実務経験豊富な人材を周囲に置き、彼等のアドバイスに耳を傾ける度量が有ったらこんなことにはならなかったでしょう。そういう意味では永田議員と同様に、世間知らずだったとも言えます。

そして、前原代表ですが、確かに彼の場合は前2者のように自ら失態を演じたわけではありません。しかし、前述のように問題のメールが本物である確証を出せない理由を自民党が国政調査権を拒否しないからだと責任転嫁、問題のすり替えという過ちを平然として国会の場で犯しているのは国民に対する背信行為そのもので、その罪は永田議員よりも重く、いやしくも最大野党の代表としての資質に欠け代表を辞任するのは当然と考えられます。

彼の場合もエリート議員としてとんとん拍子に代表にまで登りつめたためその途中で経験すべきリーダーとしての「イロハ」が欠けていたと考えざるをえません。つまり、代表に必要な帝王学を身に着けていなかったことを自覚しておれば、今回の問題でも老練な先輩議員のアドバイスを求めることで最悪の事態を避け得たはずです。また彼は素直さに欠けておりますが、これもエリート育ちに有り勝ちなことと思います。例えば、あのメールは100%ニセモノであるのに、100%ニセモノであることを確認できなかったという表現を使っているのがいい例です。 先輩議員の渡部恒三氏は前原代表に「過ちては則ち改めるに憚ること勿れ」という孔子の言葉を送って諌めておりますが、前原代表は松下政経塾でこんな基本的なことも学ばなかったのでしょうか。やはり、彼も前2者と同様に世間知らずだったとも言えます。




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