二酸化炭素温暖化説の疑問(1)
(温室効果と二酸化炭素説の発祥について)
二酸化炭素温暖化説の疑問(2)
(二酸化炭素説の位置付け)


温室効果を説明するモデル図

紫外線、可視光線からなる太陽光線は大気中を抵抗無く通過して地表に到達して吸収されますが、その際に地表を温めて熱を生じます。すると生じた熱は赤外線を放射して再び地球から宇宙に反射されます。この場合、吸収が反射より多ければ地球は暖まり、逆に少なければ冷えます。
地球では僅かに反射よりも吸収が多いため平均気温は 約15度 に保たれております。
もしこのバランスが吸収過大側にずれると地球は金星のような炎熱地獄の惑星になり、逆に過小側にずれると地球は火星のような冷え切った惑星になりかっての氷河時代が再来して殆どの生物は死滅してしまいます。ここで、吸収が無い場合に想定される地表温度 To と実際の地表温度 Tr の温度差 ΔT を温室効果と言います。

地球の場合→ To=−18℃  Tr= 15℃  ΔT= 31℃ 
金星の場合→ To=−53℃  Tr= 477℃  ΔT= 495℃ 
火星の場合→ To=−52℃  Tr=−47℃  ΔT=  5℃ 

赤外線は大気の成分毎にその吸収率が異なり、水蒸気が最大で二酸化炭素、窒素、酸素の順になっております。従って二酸化炭素の濃度が増えると大気の赤外線を吸収する割合が増え、その分温度が 15度 から15度+α と α だけ温度が上昇します。この α を「温室効果」この現象を「温室効果ガスによる地球温暖化」と言います。 

以上は、当サイト雑感記の「第7章:地球温暖化と京都議定書について」の中で「温室効果ガスによる地球温暖化」を説明する文章です。
実はこの文章は、このサイトを立ち上げた2001年に当時の地球温暖化専門サイトの解説を参照してまとめたものです。

このように、地球温暖化の元凶が人類が石油等の化石燃料を燃やすことによる二酸化炭素濃度の増加との見方は、1985年にオーストリアのフィラファで開かれた会議ではじめて取り上げられ、更に政府関係者と科学者がはじめて集合した1988年のトロント会議で承認されました。この会議で二酸化炭素を2005年までに20%削減すべきと提言され、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)が設立されたのを受けて国連で1992年「気候変動枠組み条約」が採択され、ブラジルでの地球サミットで155ケ国が署名しました。

そして、このIPCCの第1回の総会(COP1)がベルリンで1995年に開かれ、第3回の(COP3)の京都会議で議定書の形で削減目標が示され、直近のバリ島でのCOP13では、2013年以降の温暖化対策の枠組み交渉の進め方をまとめた行程表「バリ・ロードマップ」に各国が合意し現在に到っております。私は、地球温暖化が進んでいることは事実として受け止めるべきであり、化石燃料を燃やすことを極力減らすべきであるとの提言は正しいと思います。しかし、

化石燃料等の燃焼→二酸化炭素濃度の増大→地球温暖化

をもって地球温暖化のメインプロセスとし、市民生活を犠牲にしてまでも二酸化炭素排出を抑制しようとするIPCCの考え方は私には納得がいきません。
その理由は、化石燃料等の燃焼によって二酸化炭素の濃度が増えることと、これが地球温暖化の原因になることは理解できますが、それは数ある原因のひとつでしかなく他に原因が潜んでいる可能性が考えられるのと、この二酸化炭素濃度説自体も科学的根拠に欠けると考えられるからです。

有機物を燃やして二酸化炭素を排出することは、人間等の生物の呼吸に見られるように生命を維持するための必須生理であり、更に生活をより快適にするための電力を得るのにも当面は必須であることから二酸化炭素排出抑制は人の生活権利を脅かすことになりかねません。従って、二酸化炭素排出抑制にはそれ相応の確かな根拠が不可欠のはずです。

しかしながら、IPCCが主張する上述の二酸化炭素排出をメインプロセスとする二酸化炭素説は、主に二酸化炭素濃度と地球温暖化のデータ間に相関が有ることに基づいており、この関係を物理的に実証するデータが欠如しているように思われます。地球温暖化の原因には、この二酸化炭素説以外に、火山の大噴火、太陽黒点の周期的変化、海流の変化などいくつかあり、それぞれがどのような形で影響しあっているのか、今のところよく分かっていないのが実情です。

何時もなら、政府の政策に批判的な態度をとる日本のマスコミが、政府が推し進めているこの温暖化二酸化炭素説を批判するどころか、積極的に賛同し殆ど検証をすることもなく疑う余地の無い学説として我々を啓発しようとしている論調も私は納得できません。特に、昨年ゴア元米副大統領がIPCCとともに、この温暖化二酸化炭素説を基調とする啓蒙活動が評価されてノーベル平和賞を受賞してから、この温暖化二酸化炭素説が一人歩きするようになったことを憂うものです。

このような人類共通の最も重要な問題が、確たる科学的根拠も無いまま、地球環境保全という美辞麗句に乗って一人歩きしている間に、もしも地球温暖化の真の原因が二酸化炭素説以外に有ったとすれば、それを見逃すことになり取り返しのつかない結果を招きかねません。今や、世界世論ともなっている二酸化炭素温暖化説に反論を加えることは勇気の要ることですが、それでも名のある学者、ジャーナリストが身体を張って果敢に反論しております。

私は反論できるほどの専門知識は持ち合わせておりませんが、身体を張ることもない一介の庶民ですので気兼ねなくこの日記を通して思うままに二酸化炭素温暖化説に疑問の一石を投じていきたいと思います。今日は、その第一回とさせて頂き、今後随時、シリーズとして取り上げていきたいと思います。


二酸化炭素説の地球温暖化との関係を示すモデル図

明日、その詳細資料を掲載しますが、確かに二酸化炭素濃度と地球の温度の間に統計的に正相関が成立しており、二酸化炭素濃度が濃くなるにつれて地球温暖化が進んでいることが判ります。従って二酸化炭素濃度が地球温暖化の原因になっていることは疑う余地が無いと思われ、私も異論を挟むものではありません。

しかし、この事実をもってIPCC等が主張するように、地球温暖化の元凶は二酸化炭素の増大でり、温暖化を抑止するためには二酸化炭素排出を減らすことが最も有力な手段と結論付けることが出来るでしょうか。論理的には「ノー」です。何故なら、もし二酸化炭素濃度以外に要因Xが存在して二酸化炭素濃度とは無関係に温暖化を加速するならば、表舞台で目に見える従犯の二酸化炭素濃度に隠れて裏舞台で要因Xが主犯としてのさばっていることになります。

それでは、主犯と目される要因Xとしてどのようなものが有るかが問題となります。実はこれが判らないために、従犯の二酸化炭素濃度が主犯に仕立てられているわけでもあります。この要因Xを究明することは、昨日述べましたように二酸化炭素説が、世界のマスコミによって支持されるだけでなく国連の機関であるIPCCに支持され、更にはEU等の国際戦略上、日本では京都議定書の議長国の面子を保つために夫々政治手段になるなどして世界世論として受け止められているために、容易ではありません。しかしこころある研究者たちはそれでも、敢然として要因Xを究明しております。

例えば、水蒸気は二酸化炭素より赤外線吸収率が大きくかつ大気中の含有率も大きいことから温室効果も大きいはずです。そこで、この温室効果に対する寄与率を算出してみる必要が有ります。私の計算では、水蒸気=90% 二酸化炭素=10% となるですが計算式に自信を持てませんので、二酸化炭素温暖化説を支持している国立環境研究所の資料を引用すると、水蒸気=60% 二酸化炭素=26%となります。

しかし、二酸化炭素温暖化説を支持している学者たちは、空気中の水蒸気は確かに二酸化炭素のようにガスとして常に存在するならば無視できないが、液化して雲を形成した場合は逆に太陽光線を遮断して温度を下げる働きをして相殺し合うため現実にはその温室効果は無視できるとしております。しかし、これは随分乱暴な非科学的な考え方だと思います。何故なら、翌日の天気ですら正確に予測出来ない今日の気象学で水蒸気の温室効果が雲による太陽光線の遮断効果とバランスすることを実証できるとは到底考えられないからです。

地球の時転面は公転面に対するズレを傾斜角と呼んでおります。この傾斜角はミランコビッチ・サイクルの一環として、現在は23.4度ですが数万年単位で22.1度から24.5度の間を揺れ動いております。傾斜角が小さくなると当然のこととして太陽光線の照射量が増えますので地球温暖化の方向に働きます。1900年に23.452度 1920年に23.449度 2000年に23.439度と小さくなっておりますので、この事実も無視し得ないはずなのに、二酸化炭素温暖化説を支持している学者たちはこれも無視しております。

1815年にインドネシアのタンボラ火山が大噴火した際、火山灰と硫酸の影響で太陽光が遮られて世界中の気温大幅に下がり、例えば、オハイオ州周辺ではこの年、7月半ばにも関わらず、気温が氷点下になったと言われており、火山の大噴火も無視できませんし、太陽黒点の活動も無視できないはずなのに、やはり二酸化炭素温暖化説を支持している学者たちは無視しております。

上図に、二酸化炭素温暖化説と地球温暖化の関係を示してみました。二酸化炭素が温室効果ガスとして地球温暖化に寄与していることは事実です。しかし、上述のように地球温暖化は二酸化炭素以外にも有り、地球温暖化Yは Y=F(X1, X2, X3,・・・)のように関数として表されるはずです。 それなのに、二酸化炭素温暖化説は、二酸化炭素濃度X1のみを取り上げTの要因を全て無視して Y=F(X1)として一人歩きさせていることになります。これが疑問なわけです。


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