エルミタージュ美術館西洋名画集(2)
(2012年11月1日サンクトペテルブルグ観光の折り観賞)

ティツィアーノ  ダナエ(1553 - 1554)
ギリシャ神話でアルゴス王アクリシオスは美しい娘ダナエを得たが孫に殺されるとの神託を
受けて男が寄り付かないよう この地下室にダナエを幽閉します ところが黄金の雨に身を
変えた全能の神ゼウスに誘惑され男児を身籠もりペルセウスを産んだため父に箱に閉じ込
められて海に流されます 黄金を侍女の老婆が布を広げて集めている様子が描かれてます
レンブラント ダナエ(1636 - 1647)
左と同様にダナエ幽閉の様子ですが黄金が描かれておらずゼウスの存在感がありません
ゼウスの化神に手で応えているようでゼウス受容の雰囲気が漂ってます。ベッド下のサ
ンダルをダナエの生殖器に似せることで受容の意思を暗示しているようにも思えます
1985年 硫酸を掛けられ大損傷したものの美術館地下室で13年以上かけて修復に成功
フランシスコ・ゴヤ  アントニア・サラテの肖像(1811)
彼女は才能よりも美貌で有名だった女優で36歳の若さで結核で他界しております
宮廷画家ゴヤが一女優を敢えてモデルにしたのはその美貌にあったことはエルミタージュ 美術館のゴヤの収蔵品36点中この作品が唯一の油彩画であることから推し量れます
この肖像画が無かったら彼女は遠い昔に忘れ去られていたことでしょう
ティツィアーノ  懺悔するマグダラのマリア(1565)
聖書に出てくる娼婦マグダラのマリアがキリストの前でその罪を悔い涙を流しております
左下に描かれているのは香油の入った壺で、彼女はイエスの遺体に香を塗るために
日曜日の朝墓へ赴いたと伝えられています。宗教画でありながらなまめかしく乳房
を描写するなど官能性を公然と示すことで信仰を奮い立たせているように思われます
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