飼育記
1章 我が家の動物君たち(2)
もし手遅れになったらどうしようと不安な気持ちを抱いて待つこと10
分、chasukeクンが診察室から出てきました。
「手もとから胸にかけて既に水たまりの道が出来ているので重傷で
すが、水抜きしておきましたので後は投薬して様子を見ましょう」
と獣医さんは診察結果を話してくれました。
もっと早めに連れて行けばよかったのにと後悔しつつ、お詫びを兼ねて帰りに好物のマグロの刺身を買って思う存分食べて頂き我々もそのお相伴にあづかることになりました。
ところが困ったことが起こりました。
頂いた粉薬を刺身にまぶして何とか誤魔化して飲んでもらおうと試みた
ところ何しろ養殖と天然の鯛を嗅ぎ分ける能力を持つ
chasukeクン
のことですから、直ぐに異常に気付き怒ってその場を立ち去ってしまいました。
こうなったら、最後の奥の手を使おうと決め込み、私と彼の共通の大
好物の貝柱の缶詰を開けることにしたのです。
実は彼は貝が好物で、あさり、はまぐり、赤貝、とり貝、さざえ、
あわびが大好きで、特に缶詰の貝柱には目が有りません。
この貝柱の汁も大好きで底がツルツルになるまで綺麗に舐め続けます。
この汁に納豆や梅干をたっぷり付けると結構食べてしまうのです。
ある時、わさびに汁を付けたら、さすがにひと舐めして気付き、ニャーオ
とないてのたうちまわって怒りしばらく寄りつきませんでした。
缶詰を開けていると、不思議なことにどこからともなくchasukeクンが現
れましたので、早速本体の身の方は私の酒の肴にして、小皿にとった汁の中
に薬を入れてかき回し、chasukeクンにあげたところ、さすがに鼻をフグ
フグしましたが、やがて勢いよく舐めまわしてくれたのです。 大成功です!
ご機嫌よろしくお腹を広げるchasukeクン |
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孫娘のオヤツをじっと眺めるサリーちゃん |
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