飼育記

13 章 chasukeクンの散歩


彼は貝が好きでで、特にアサリは大好物ですので、春先、朝食にアサリの味噌汁が出ると、ご覧のように食卓に身を乗り出して箸先のアサリをめがけてネコパンチを飛ばしてきます。味噌汁のお椀の中のアサリが無くなるまでこのパンチが途絶えることは有りません。結局半分は彼のものになってしまいますので、私のお椀には予めこれを見込んで少し多めに入れてもらっております。
彼は外に出るのが大好きで、晴れの日は必ずの玄関の内側で啼いてせがむのです。そのまま出したら屋外に逃走してしまいますので、ロープのついた首輪を掛けて散歩させることにしております。これまでも何回か玄関の扉を手で開けて逃走したことが有りました。でも、彼は気が小さいので自動車の音や人の声を聞きつけると結局家に舞い戻ってくるのです。右の写真は庭から門扉の下を潜って道路に出ようとしているところです。
猫は硬くて平らなところに出ると、匂い付けのために仰向けになって背中をその面に擦り付け身体を左右にくねらせます。当初、背中を掻いていると思っていたのですが、家の中ではしませんのでやはり、縄張りのための匂い付けのようです。これは犬の立ちションと同じで猫特有の行動と思われます。
道路に人気が無いことを確認すると、道路の向こう側の公園に向かいます。何故か、この公園には彼の好きな草が生えているらしく、それを食べようとしているのです。車は滅多に通らず人気も少ないので絶好の散歩コースになっております。
猫が草を食べるのは、毛づくろいで食道や胃に貯まった毛が固まらないように下剤代わりに本来大嫌いな草を食べるわけです。そうしないと、食道や胃の中に毛玉が出来て大変危険な状態になるからです。食べてから数日後に胃液とともに吐き出します。その時は必ず、吐く前に「ゲーロ、ゲーロ」と奇妙な鳴き声を発するので新聞紙を顔の前に敷くとその上に吐き出してくれます。やはり、床の上に吐いたのでは申し訳ないと思っているんでしょうか。

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Pー1(完)
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