飼育記

4 章 サリーちゃんのノイローゼ

長引いた秋風邪も漸く終わりを告げそうです。 お陰で、我が家のテイッシュは底をついてしまいました。 夏風邪や秋風邪は体温調整に失敗して罹る風邪で、言わば不摂生が原因で若者や中年に多いようです。 逆に、インフルエンザ菌による冬風邪は、菌に対する抵抗力がまだついてない幼児や、抵抗力が弱まった高齢者に多いようです。 春風邪はそのいずれでもない、花粉のような異物 侵入による花(鼻)風邪です。

隣の奥さんは、ご丁寧に春夏秋冬の全季節にわたって風邪を引く、いわゆるオールシーズン型ですが、我が家のchasukeクン、サリーちゃんは風邪を引いたことは有りません。
もっとも、クシャミしたり声がかすれたりすることがないので人間が気が付かないだけで、実際は引いているのかも知れません。 有名なスペイン風邪は猫、香港風邪は豚から感染したと言われておりますから犬や猫も引くのでしょうね。 ただ、近所の野良猫達は厳寒の冬でも我が家の車の下で寝泊まり して、風邪を引かないようですから、毛による体温調節機能が働いて いるのでしょう。

ところが、数日前からサリーの様子がおかしくなってきたのです。 家の中で激しく下痢をし、また前足の一部の毛が禿げたようになって 皮膚がむき出しになり、そこをペロペロ舐めてばかりいるのです。

早速、病院で診察して頂いたところ、心因性の一種のノイローゼと 診断され、何か思い当たることがないかと言われました。 そう言えば、先日海に散歩に連れていくと言ったら、ものすごい喜びようで、ついウレションを絨毯の上にしてしまったことがありました。

お仕置きとして、彼女に留守番を命じ、帰ってからもchasukeをだっこしてしているのを羨ましそうに見ていたのを思い出しました。 そんなことなどもあってノイローゼになってしまったのでしょうか。

そう言えば、以前中日の李選手が今期極度の不振で、円形脱毛症になり 後頭部に卵大の禿げがテレビ画面にも写っていたのを見た覚えがありますが、ワンチャンにも円形脱毛症が有るのでしょうか。 風邪も引かないのは鈍感ではなく、人間にない高度の防御機能を備えており、また人間のように喜怒哀楽を敏感に感じとる情操機能も備えていることをつい忘れていました。 これでは、犬を飼う資格は有りません。

チンチラとラブラドールレトリーバーという、お互いに相容れない性格 を持つ動物クンを飼うには、それだけの覚悟が要るようです。 サリーちゃん ごめんね。

目次に戻る

Pー1

inserted by FC2 system