飼育記

6 章 chasukeクンの窓越しの恋(続)


我が家の愛猫chasukeクンに窓越しの恋人ミーちゃんがいることは前章でご紹介済みですが、最近そのミーちゃんが姿を見せないのでchasukeクンが時々窓越しにミーちゃんがいる隣の家の庭を寂しそうに見つめることが多くなりました。

心配になり隣の奥さんにミーちゃんの近況を訪ねたところ、15才になったミーちゃんは人間で言えば80才ですからすっかり体力が落ちて食欲も進まない上、寒がって家に居直り外出しなくなってしまったとのことでした。

毎年、その傾向が有るのですが今年は更に強まってきたように思われます。飼育記でも述べたようにミーちゃんは元々野良猫だったのですが子猫の頃から我が家の庭に居付き、私が釣ってくる魚やその食べ残しを食べて育ったエリートの野良猫だったのです。

そして我が家に飼い猫としてchasukeクンが来てからは我が家の庭には来なくなり何故か隣の家の庭に居付いてしまいました。近所の野良猫の仲間の中ではマドンナ的存在だったミーちゃんにchasukeクンは子猫の頃から憧れるようになり、我が家から脱走してはミーちゃんに会いに行くのですが全く相手にしてもらえません。 それどころか、歯を向いて威嚇されすごすご引き下がる始末でした。 多分、自分を我が家から追い出した張本人としてミーちゃんはchasukeクンに敵愾心を燃やしていたのだと思います。

何とかこの老いらくの恋を成就させたいのですがどうやら難しいようです。





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Pー1(完)
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