スペイン旅行記

12章 バルセロナにて(3)

@ ガウデイの聖家族教会

1926年に市電に惹かれて死んだ時も乞食と間違えららた悲劇の天才建築家ガウデイが34歳の時に設 計したこの、天空にそびえる8つの塔を束ね、見事な彫刻の壁と、鮮やかなコバルトブルーのステンドグラスが正門に映える、この聖家族教会はスペインの誇る建物としてあまりにも有名です。

100年前に建設されたこの教会は、今尚観光客がこの教会の有料エレベーターに支払う料金によって細々と建築中で完成までにはまだ今後200年はかかるとのことでした。    私がツアー中、スペインの教会の中で最もその美しさに感動したのはやはりこの教会でした。

A ピカソ美術館   1881年に、現在は地中海沿いに高層ビルが林立する、スペインの代表的な国際観光都市のマラガで生まれ、1973年 にフランスの自宅で93歳で死去するまでに、バルセロナ、パリ、マドリードを中心に芸術家の父を持つ恵まれた環境のもとで、プラドー美術館の館長を歴任する等、名誉と名声を得、一方で二人の妻と多数の愛人との女性遍歴、スペイン市民戦争、ナチスのスペインもバスク地方空爆での暴力に対する抗議し、油絵、デッサン、彫刻、陶芸、版画の面で数々の傑作を残したピカソは20世紀最高の芸術家として、その作品の大半がこのピカソ美術館に展示されております。

 


ところが、この美術館は徒歩で行くと実に判り難い場末の一角に有り、バッグは入館時に預け、34の展示室毎に監視員が目を光らしているので撮影は出来ませんでした。

ひととうり見てきましたが、やはり絵心の乏しい私ごときには判らない絵ばかりでしたが、はっきりしていることは、ピカソの絵には前期の写実画、中期のデッサン、中・後期の抽象画の3種が有ることです。   有名な「腰掛けた肩掛けの女」を目の当たりに見てその胸部の鮮やかなブルーには、本物の迫力を感じ取ったような気が しましたが、抽象画は全く判りませんでした。

しかし、びっくりしたのは、両股を開いた全裸の女性の性器をかなり詳細に描いたデッサンがある展示室に多数展示されていたことです。

興味が有ったのでゆっくり見ようとしたら、後から来るアメリカや日本の女性達がほとんど見ることもなく素通りしながら、 私をエッチオジサンではないかとばかりに見ているいるような気がして見辛くなり、詳細に見ることは出来ませんでした。 後で、解説書を見たのですが、1枚も該当するデッサンは紹介されていませんでしたが、どうも「青の時  代」の時期の作品で、ここでしか見ることの出来ない珍しくかつ貴重な作品らしいのです。

前 頁 へ 次 頁 へ

Pー17
inserted by FC2 system