スペイン旅行記

2章 スペインの現状
現在のスペインはさしたる産業基盤も無く、20%以上の高い失業率と、1.40人という世界一低い出生率に悩まされておりますが、なんと経済成長率や外貨準備高は欧州では独、仏に次ぐ位置にあるのが不思議です。

それは、観光立国を国策としてかかげ、ホテル、レストラン、空港、無料の高速道路等を整備、オリンピック、万博、見本市を積極的に誘致して年間6000万の外人観光客を誘致して外貨を稼いでいるからです。 それでも総人口の20%が月収5万円以下の低所得層であることにこの国の基本問題が有るように思います。

5年前の統計では日本人観光客は海外で年間一人当たり3000$(36万円)使ってますので、その半分と見込んでも、10兆円となって、スペインの国家予算の約3割以上を占める膨大な額になります。 因みに、日本への外人観光客は年間400万人で、スペインの約6%の0.6兆円の収入しかなりません。 また、外人観光客が日本で使うお金は15万円ぐらいで、日本人が海外で使うお金の半分以下なんです。 日本の女性達が海外で有名ブランド品を買いあさっているのがその原因ではないかと思われます。


確かに、これらの観光誘致施設の整備は認めますが、掏摸、ヒッタクリの横行、駐車場の狭さ、交通マナーの悪さは、国を挙げて何んとかして欲しいと、今回のツアーでしみじみ感じました。 何故って、後で触れますが、私はバルセロナで僅か10分の間に2回も女のスリに出会ったのですから・・・。

でも、2度の大戦に参加しなかったために、日本で言えば室町から弥生時代に建てられたり、彫られたり、描かれたりしたものが、厳然として、壮大に、きらびやかに残っている実物を見ていると、これまでの日本人としての価値観や人生観が変っていくのではないかとさえ思う迫力がスペインには有るように思います。

それに、ゲルマン、ラテン、イスラムの血と文化が混在した独特の風土、背丈も日本人とさほど変わらない上、タコ、イカ、カニ、アサリ等の魚介類やパエリア料理に代表されるようにお米を食べるスペイン人には何か親近感を感じますので、いずれ日本でも人気ルートになるものと思います。

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