スイス旅行記

1章 スイスの地理と歴史(2)

12世紀までは神聖ローマ帝国の直轄領だったこの地で13世紀に上記の部族が結束してイタリアに抜けるゴッタルド峠を難工事の末完成させると俄然この峠は列強の注目を浴びるようになりました。

何故なら、神聖ローマ帝国やオーストリアのように陽光に恵まれない寒い国にとって太陽が燦々と輝く地中海やキリスト教の聖地のローマは憧れの地だったのですが険しいアルプスに阻まれて迂回するしかなかったのに、この峠を通れば最短距離で行くことが出来るからです。

1291年にスイスでは、ウリ、シュビツ、ウンターワルデンの3州が同盟し、この峠に通行料を課したためこの地域が経済的、戦略的に重要になったことに着目したオーストリアのハプスブルグ家に1332年に挑戦されましたが、緒戦の不利を挽回して勝利を収め、1353年に更にルツェルン、チューリヒ、グラールス、ツーク、ベルンが加盟して8州から成るスイス連邦が成立したわけです。

1481年に分裂の危機が訪れましたが、フランス語圏からの加盟もあって何とか乗り切ったところへ、支配者の神聖ローマ帝国が戦争税を課すなどして脅しをかけてきたのに反発して1499年に戦争が始まり4ケ月間耐え抜いて独立し、これでオーストリア、神聖ローマ帝国の北の脅威から解放されました。

ところが、今度は南のイタリア方面の強国ミラノから侵略を受けましたが、これにも連勝したことで自信を得たスイスは戦争に勝って土地を拡大することに興味を持つようになりました。
      スイス連邦とはどんな国?
    ・位置
    ヨーロッパのほぼ中央に位置し、北にドイツ、西にフランス     南にイタリア、東にオーストリアに接しています。
    正確には、オーストリアとの間にリヒテンシュタインという小     国がありまが、スイス連邦に加入していないだけで一つの   カントン(州)のようなものと見なされているようです。
    でも、1国の機能はちゃんとあります。
    ・面積と地勢
    41,293 平方km,ほぼ九州と同じ大きさ.北西のフランス国境付近はジュラ山脈、南半分はアルプス山脈で占め られており、国土のほぼ3/4 が山地で、国内最高峰はモンテ・ローザ(Monte Rosa 4634 m) 、ツエルマット(Zermatt)近くのイタリアとの国境にあります。
    因みにヨーロッパ最高峰のモンブラン(Mont Blanc, 4807 m)はフランスとイタリアの国境付近のフランス領内 にあります。
    ・人口
    全体で約700万人.うち約1/7は外国人で、一番大きなチューリッヒ(Zurich) でも40万人弱、次がバーゼル(Basel,18万人)、国際都市ジュネーブ(Geneve,16万人)、首都ベルン(Bern 15万人)、 ローザンヌ(Lausanne, 13万人)の順です。
    ・ことば
    ドイツ語(75%)、フランス語(20%)、イタリア語(4%)、 ロマンシュ語(1%)の割合です。

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