釣行記 1章 夏の夜の三河湾でのメバルの大釣り(1)

愛知県は右の地図に示すように南に向かって蟹が爪を出しているような形をしております。 この図の右側つまり東側が渥美半島、左側つまり西側が知多半島で、 両半島の先端が伊良湖岬と師崎、その間に佐久島、日間賀島、篠島の三っつの島が点在しその両半島に囲まれた海域が三河湾です。

伊良湖岬は島崎藤村の「名も知らぬ遠き島より流れ寄る椰子の実一つ・・・♪」で 有名、また師崎は前記の三つの島や伊良湖岬、更には三重県の鳥羽への連絡船の発着港、近海漁業の漁港でもありますが映画「釣りバカ日誌」に紹介されたこともある日本有数の釣りのメッカでもあります。

休日の早朝になると、四季折々にここから100隻を越える釣り船が出港して行く風景はまさに壮観です。 この地方は昔からメバル釣りが盛んで、晩秋から早春にかけて前記の三つ島や伊良湖岬、鳥羽方面に波止場釣りに出掛ける釣り師たちの風景はこの地方の風物詩でもあります。

波止場でのメバル釣りは朝マズメと夕マズメ、つまり日の出直前か日没直後にせいぜい30分前後ですが一時的に入れ食い状態になるので釣りタイムはこの時間帯に集中し、そのため夕方ポイントに入って夕マズメを狙い、そのまま仮眠するか徹夜して朝マズメを狙うことになるので相当過酷な釣行になります。 ましてや極寒の冬場は北西風が強く、寒さと風にもめげず長竿を沖に向かって振る姿に釣り師の家族はただただ呆れるばかりです。

この釣りは、如何に長い竿で、如何に細いハリスで、如何に生きのいい湖産エビを使うかにかかっておりますので 装備も大変です。5間(9メートル)以上の長竿のを収納した竿ケースにブクブクと言われるエアポンプ付きのエサ箱に防寒着と寝袋入りのリュックサックとクーラーが必携品ですから両肩と両腕で持つしかありません。

釣り方は、06クラスの極細ハリス2、3本が付いた胴付き仕掛けを長竿で波止場や堤防のかけ上がりを狙って沖目に振り、底を取ってから竿を上げながら当たりを待つ、いわゆるフカシ釣りです。

最近は地元の漁師までが、そうしたかけ上がりの釣りのポイントに網を入れたり、女・子供を含むビギナー達が休日ともなると大勢押し掛け10センチにも満たない稚魚までゲットしたりして場荒れし、20センチを越える3年モノは殆ど釣れず、幻の魚になってしまいました。

私はそんなメバル釣りに愛想をつかし、15年程前からボート釣りに転向し、沖のメバルを狙うことにし、この三河湾一帯をポイントにするようになりました。

今年の6月29日(金)に上の地図の赤い矢印の先の渥美沖に出掛けたところ、ここ数年来のメバルの大釣りをすることができましたので早速、釣行記第1号としてHPに掲載することにしました。

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