浮気に思うこと(第2回)
(浮気の原点は全能の神、ゼウスにあり)

この世で最初に浮気したのは、ギリシャ神話に出てくるオリンポス12神の最高神で全能の神、ゼウスだったと言われております。10年にも及ぶ父クロノスとの戦いに勝って神々の王としての地位を父クロノスから奪い、姉のヘラと結婚したものの大変な女好きで浮気しまくり、妻ヘラの目をかいくぐるためにいろいろな自然現象に姿を変えては多くの愛人のもとに馳せ参じ子供を作りまくったことになっております。そこで、今日は第2回として、ゼウスが登場するまでのギリシャ神話を紐解いてみたいと思います。

ギリシャ神話の「創世記」によれば、世界は形無くドロドロとした塊であるカオス(混沌)の状態から始まったとされています。そして、このカオスから女神ガイアが生まれ、天の神ウラノス、海の神ポントス、暗黒の神エレボス、愛の神エロスを生みますが、ガイアはが我が子、愛の神エロスの誘いにより、我が子、天の神ウラノスと結婚したために面倒なことになります。

この結果、ウラノスは神々の王となり、母ガイアとの間に多くの子供を生んだため、更に面倒なことになっていきます。まず、大きくて力持ちのため巨神(ティターン)と呼ばれる男女6人ずつの子供が産まれますますが、ウラノスはこの子供達を嫌って全員を大地の穴に押し込めたため、母ガイアは悲しみ、自分の子であり夫でもあるウラノスへの報復を子供達に呼びかけたところ、末っ子のクロノスが父ウラノスの生殖器を切り落としてしまいました。ウラノスは「やがてお前も自分の息子に王位を退けられる」とクロノスに言い残してガイアの許を去ります。

こうしてクロノスは王座についたものの、父が言い残したこの言葉が不安でたまらず、妹の妻レアとの間にできた子供5人を次々と飲み込んでしまいます。この五人の名は、ヘスチア、デメテル、ヘラ、ハデス、ポセイドンでした。悲しんだ妻レアは、遠いクレタ島に渡って念願の子供を隠れ産み、山の洞窟に隠し、夫クロノスにレアはこの赤子の代わりに大きな石を渡すと、クロノスは確かめもせずにそのまま飲み込んでしまいました。こうして、クロノスの横暴は益々激しくなり、兄弟の巨神(ティターン)たちと世界を荒らしまわりました。

一方、クロノスの手から逃れた赤子は、クレタ島の洞窟で妖精たちに養われ逞しい男に成長し、後のオリンポス十二神からギリシャ神話の最高神に出世したゼウスになります。ゼウスは、女神メティス(熟慮)に、飲み込まれた兄弟たちをクロノスから吐き出させるように頼み、了承した女神は、クロノスに薬を飲ませ、飲み込んだ兄弟たちを助け出します。助け出された兄弟たちはオリンポス山に立てこもり、クロノスとの間に10年戦争が始まります。

対するクロノスも兄弟である巨神(ティターン)達と共にオッサ山に立てこもり、10年もの歳月を戦い続けました。しかし全ての母であるガイアは、クロノスの横暴を見かねていましたので、ゼウスたちに大地の底に閉じこめられている巨人、ヘカトンケイルたちとキクロペたちを救い出して味方につければ強力な助っ人になるとゼウスに助言します。ゼウスが彼等を救い出すと、ガイアの助言どおり彼等は大きな戦力となり、クロノスたちは敗れ、闇の世界タルタロスに閉じこめられます。ゼウスは世界を二人の兄と分かち合い、自分は天を、ポセイドンは海を、ハデスは地下の世界を治めることとし、大地は皆の物としました。こうして、世界を荒らし回ったクロノスの時代は終わり、オリンポスの神々の時代となりました。

面食いだったゼウスは、オリンポス三大美人の1人の姉のヘラと結婚したものの、その女好きが高じて 妻ヘラに隠れてよく浮気をしまくり、妻のヘラは嫉妬して、残虐な復讐の矛先を夫ゼウスではなく、浮気相手にしたことから、この世の最初の浮気はゼウス、最初の嫉妬はヘラが原点ということになります。次回はゼウスがこの世で最初に創った

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