1章 出入国にて
出発当日、空港の旅行会社のカウンターに出向いて驚きました。 私と友人の二人しかいないので、係の人に訪ねたら参加者は我々二人だけで 添乗員は同行しないけれど現地ガイドが付くとのことでした。 海外旅行経験の少ない友人を気づかって私が添乗員の代わりを務めることにして男二人 の韓国珍道中がはじまりました。 出入国手続きにあまり詳しくない友人に、出入国カードへの記入ははローマ字と日本語 でいいと説明したのですが、友人は揺れる機内で韓国側の出入国カードに苦労して目下学習中のハングルで記入したのに金浦空港での入国審査でちょっとだけひっかかってしまったのです。 実は、ローマ字で記入すべきところをハングルで書いてあったので、親切な韓国人審査官は差し 戻さずにハングルを棒線で消してローマ字に書き直してくれたのです。 多分、日本人審査官だったら記載不備で書き直しを指示したでしょうが、 母国語のハングルを書く日本人に敬意を表したのだと思います。 この日のために高い授業料を払ってハングルのレッスンを受け ている友人としては相当悔しかったことと思います。 |
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