スイス旅行記

1章 スイスの地理と歴史(1)

北海道よりやや北に位置するスイスは、九州とほぼ同じ大きさの国土に愛知県とほぼ同じ約700万人を擁する連邦共和国で、60%がアルプス山系、15%がジュラ山系、残り25%が中央台地という痩せた国土を有しておりますが、それがスイスに幸いして今日の永世中立国を勝ち得たと言われております。

周囲を神聖ローマ帝国(後のドイツ)、フランス、イタリア、オーストリアの列強に囲まれて常に侵略の脅威に晒されていたのですが、列強から見ればその痩せた土地は侵略して奪い取る程の魅力が無かった上、支配者の神聖ローマ帝国が弱体であったという幸運にも恵まれスイスは独立し易い環境にあったからです。

スイス人の最初の祖先は紀元前4世紀にこの地域に侵入したケルト人ですが、その後4世紀にゲルマン系でフランス語、ドイツ語、イタリア語を話す部族が侵入し、今日のスイス人の主流を形成し、言語もこれら3ケ国語とロマンシュ語がその勢力に比例して使用されるようになりました。

この先住したケルト人は紀元前4世紀頃に忽然と現れ、フランス、イギリスに侵入したものの、やがてゲルマン民族に追われ、アングロサクソンに敗れ、更にローマ帝国によって滅ぼされ、現在はアイルランドとフランスのブルターニ地方にケルト神話等の文化でその名残を残すだけになった幻の民族です。

スイスの歴史年表
    1291年:3州が同盟してゴッタルド峠に通行料を賦課
    1332年:ハプスブルグ家から挑戦に勝利
    1353年:8州からなるスイス連邦国家の誕生
    1481年:州の対立による分裂の危機を乗り切る
    1499年:神聖ローマ帝国の挑戦に勝利して独立
    1515年:フランスに対戦して敗戦し不戦方針打ち出す
    1648年:ウエストファリア契約で独立国として正式承認さる
        〜:フランス革命で800人余のスイス兵殺害さる
        〜:ナポレオンのロシア侵攻で全土を占領さる
    1815年:ウイーン会議で現有領土と永世中立承認さる
    1944年:ナチスに徹底抗戦して独軍のアルプス越えを
           阻止

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