講座集 第9章 水に関するQ&A

Q1:水は純度が高くなると有害になるって本当?
A1:本当です。

水は生活環境下にある常温の液体の中では最も小さい分子ですので、 もし分子がひとつひとつバラバラの状態で存在しますと、 殆どの隙間に入り込もうとするため非常に活性が強くなり劇薬のような作用を示します。
もしこのような状態の水を飲んだら隙間だらけの胃壁は爛れて胃潰瘍になることは充分 予想されますので人体には有害とみていいと思います。

幸いなことに自然の水はクラスターと呼ばれる葡萄の房のように分子が束になっておりますので 人体組織を痛めるほどの強い活性は無く安心して飲めます。
水の分子はH2Oで示されるようにふたつの水素原子とひとつの酸素原子から成っておりますが、この水素原子と酸素原子が相反する極性を帯びて恋人同士のように近づいてお互いに手を繋ぐためこのように束のようになるのです。

ところが、水の純度が高まるにつれこの束がほどけてバラバラになって活性が強まっていきます。 どの程度まで高まると有害になるかについて明確な定義は有りません。少なくとも飲料目的でイオン交換膜等により作られている純水には健康を損ねる有害性は有りませんが、保存中に空気中の炭酸ガスを吸着して弱酸性になってと酸っぱくなったり、長期に渡って飲み続けた場合カルシウム分が溶解し歯がぼろぼろになるとの研究報告( Q4「純水とは」参照)も有りますので注意が必要です。

純水は水泳用の50mプールの水中に200キログラム、つまりほぼドラム缶一 杯分の不純分が含まれているのに対して、超純水は耳掻き一杯分の不純分し か含まれておりません。 更に超・超純水になると東京ドーム一杯分の水中に耳掻き一杯分の不純分が 有ると言った感じで、飲むと臓器が侵されるのはこのクラスの水からと考えられ ます。
Q2:洗剤不要の洗濯機にイオン水が使われるって本当?
A2:本当です。

水の一部は水素(H)イオンと水酸(OH)イオンに解離しているため導電性を示しますが、両イオンがバランスしているため中性を示します。
しかし何らかの方法でこのバランスを崩すと酸性になったりアルカリ性になったりします。 つまり水素イオンが多くなると酸性に、水酸イオンが多くなるとアルカリ性を示すようになります。 そのバランスを崩す方法として電気分解が使われます。
水中に電極を入れて直流電流を流すと水素イオンは陰極に引かれ水素分子になって水中に溶け込むことで水酸イオン が増えるので陰極付近の水はアルカリ性を示すようになります。
一方、水酸イオンは陽極に引かれて酸素分子になって水中に溶け込むことで水素イオンが増えるので陽極付近の水は酸性を示すようになります。

そこで、両電極間を電流は通すがイオンを通さない隔膜で仕切って陰極側の仕切部屋の水を取り出せば酸性イオン水が、同様に陽極側の水を取り出せばアルカリイオン水が得られます。

水の純度が高くなると電流を通しに難くなるので、電気分解にはミネラル分をはじめいろいろな不純分が混じって電流をよく通す水道水が使われます。

これが市販されている整水器の原理ですが、この8月1日に三洋電機から新発売された洗剤不要の洗濯機も同じ原理で水道水を電気分解して得られるイオン水の活性を利用して洗剤の代わりをさせているのです。

同社はイオン水中の酸素と次亜塩素酸の活性を利用しているとPRしておりますので、水道水中の塩素や付着した汗の残査中の食塩の電気分解によって次亜塩素酸を生成させているのかも知れません。

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