スペイン旅行記

10章 グラナダにて(マドリードから700キロ)
セビーリャから200キロで、イスラム勢力最後の拠点であり、タレガのギター曲「アルハンブラの思い出」でも有名なアルハンブラ宮殿のあるグラナダに到着しましたが、途中白い壁の地中海沿いの避暑地として有名なミハスの街に立ち寄ってショッピングを楽しみました。

壁を白く塗るのは、真夏の酷暑を白壁で反射させて少しでも涼しくするための生活の知恵で、山の中腹にあるミハスは日本の温泉街のように土産ものやさんが狭い通路沿いに並んでおり、高台から涼風を受けて見下す紺碧色の地中海には一隻の船も視界に無い、まさに地球の丸みを感じさせる180度パノラマでした。

アルハンブラ宮殿の無血明け渡しでイスラム支配に終焉を告げたこの街は神秘的な哀愁を漂よわせており、特に、ライトアップされた宮殿の夜景はロマンチックで日本の新婚カップルのお目当てのようでした。

近くにそびえ立つ3000メートル級のシェラネヴァダ山脈でスキーしてから地中海で海水浴が出来る観光として知られております。 ここで、私はこの旅行で最大のピンチに見舞われることになりました。
アルハンブラ宮殿は、15世紀までイスラム王朝の王様達の宮殿で、シエラネヴァダ山脈からの雪解けの水を噴水させてその気化熱で涼をとり、天井にレバノン杉に寄せ木細工を一


面に施す等、絢爛豪華な部屋が数多く有るものの、大半が寝室や女性の控えの間のハーレムと聞かされ、カソリックに負けたのも当然と思いました。

この宮殿を見学している最中に、昼食に無理して食べた生ハムのせいか下痢っぽくなり、付近にトイレが無いので、必死に出口までの20分を我慢に我慢をしてこらえ、やっとの思いで駆けつけたトイレが掃除中で入れず、集合時刻を気にしながら待つこと更に5分、その間はまさに地獄でした。

私はパン消化酵素の分泌が少ないためスペイン料理の必須献立のあの硬いパンを食べることが出来ない上、チーズ類もダメなので、スペイン料理では生ハム以外食べるものが無いことから、ワインとハム類ばかり食べた揚げ句、長時間のバス移動時の振動で体調をくずしていたのが原因のようでした。
アルハンブラ宮殿(アラヤネス・パテイオ)

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