我が闘病記

1章 痛みと闘いの毎日

4年前のうだるような熱い夏の日のことでした。
以前から右足の太股部に軽い痛みを覚えておりましたが、その痛みが徐々に増していくような気がしましたので一度診察を受けようと思い立ち、近所の行き付けの外科医院に出向きました。

診察の結果、病名は椎間板ヘルニアとのことでした。
この病気は腰椎と腰椎のクッションの役目を果たす椎間板が変形したり、摩耗し たりして腰椎の中の神経に接触することによりその神経が支配する身体部位に 痛みや痺れが発生する病気とのことでした。
難しい病気でもなさそうなので安堵し 痛み止めの投薬と牽引等の理学療法を受けるため通院することにしました。

それから1ケ月ほど経過しても痛みは収まるどころか酷くなる一方で、つい に通常の飲み薬では鎮痛し切れなくなり、次第に副作用の強い副腎皮質系の薬 に変えざるを得なくなっていきました。
この薬は副作用が強くて多量には服用出来ないため鎮痛効果に限りがあり、更に最終的な鎮痛薬である 座薬に変えざるざるを得ない羽目になってしまいました。
この薬はピストルの弾丸のような形をしており、肛門に挿入すると直ぐ効きますが困ったことに激しい動きをするとお尻の穴からすり抜けてしまうのです。
そのため、ぎこちない歩き方になってしまうのです。
トイレに駆けつけて入れ直すことしばしばでした。


しかしその効果も日毎に薄れ、最初1日に1回で済んだのが2回になり、 ついに朝、昼、晩の3回になってしまいました。
そのうち寝る前に入れても、就眠中に効き目が無くなり、夜中に激痛で目が覚めてし まうようになり睡眠不足も加わり痛みとの闘いは日毎に激しさを増していったのです。
そしてついに絶望的な状態に陥ってしまいました。
座薬の効き目が殆ど無くなってきた上、横になると痛みが酷くなるので、寝ることに 恐怖を覚えるようになり、出来るだけ夜更かしして座ったままでうたた寝して睡眠を とるような生活が続くようになったのです。

もう仕事どころではなく痛みとの闘いの日々の連続で、何回か担当医に精密診断を お願いしたのですが、私の牽引等の理学療法の受け方に熱意が無いからだと言って取り合ってく れません。
そこで意を決して、評判のいい別の医院に駆け込んで病状を訴えたたところ、 医師もしばらくは首をかしげていましたが、MRI写真を撮って精密診断を受けるよう 薦められました。

MRIは、当時は大学病院等の大病院にしか設置されていなかったため、 市内で唯一設置されていた臨床検査センターに予約を取り1週間順番を 待って漸く検査を受けることが出来たのです。

その結果、身震いするような病名が判明したのです。


闘病記目次に戻る次 頁 へ
P−1
inserted by FC2 system