我が闘病記

第11章 入院生活での辛いことあれこれ:

入院生活で辛かったことを順にリストアップしてみます。

    1.ベッド上安静(1週間寝返りをうてないことの苦痛)
    2.床ずれ(縫合部爛れによる痛みと痒みの苦痛)
    3.大便の始末(便を看護婦さんに見られる羞恥心)
    4.喫食の介助(介助に頼る精神的苦痛)
この辛さは抜糸するまでの手術後2週間続きました。
その後は徐々に、体を起こせるようになると、自力喫食、3週間後には自力歩行 が出来るようになり、これらの辛さから完全に解放されました。

小便の方は、手術後1週間で尿道パイプを外してからシビンで自力排便出来たので、 さして辛くはありませんでしたが、外される時はちょっと辛かったです。 ある日、看護婦さんから「明日尿道パイプを外しますよ」と言われたんです。
萎びたオチンチンを彼女がヒョイと摘んで抜く情景を想像するとたまりません。 もしも、勃起したらどうしようと思い巡らしその夜はなかなか寝つかれませんでした。

幸か不幸かその日の看護婦さんは年輩の方でしたのである意味で気楽になりました。 慣れた手つきでパンツを下げて、ホイと摘んでスーっと抜いていきましたが、不思議に 全く痛みは無く、むしろ気分爽快で、勃起も縮みもなく何の感情も沸きませんでした。


看護婦さんにとっては日常茶飯事ですので、さっさと片付けて退室していきました。パイプが挿入されている時は排尿感が全くなく、ベッド下に在る透明タンク中の尿の 液レベルの変化で排尿の有無を知るのみでした。
今度は、尿意を催したらベッド横のテーブルに置かれているナスの形をしたシビンを 使って自分の意志で排尿できます。
その日に待望の尿意を催すことができ、シビンにチンチンを挿入して恐る恐る下腹に力 を入れてみました。 すると、チビリチビリですが尿が出てきたのです。 嬉しかったです。 排尿機能に支障が無かったのです。

また男に生まれてよかったとしみじみ思いました。 何故って、男の場合はナス型のシビンの口にオチンチンを差し込めば一滴も零すこと なく排尿できますが、女の場合そう簡単にはいかないだろうと思ったからです。

大便では、ミスを犯して酷い目に遭いました。 点滴による栄養摂取から流動食に切り替わると、便意を催すようになります。 大部屋の人達は自力歩行が出来ないまでも、起き上がることができますので、車椅子 を使って専用トイレで排便出来ます。 私の場合は、先程述べた理由でベッドから起き上がることが出来ませんので、車椅子 に乗り移ることができません。
従って、寝たままの姿勢でお尻の下に紙おむつを敷いて排便して、後始末を看護婦さ んにしてもらうしかないのです。

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