我が闘病記

第7章 入院生活あれこれ:

私が個室にそのまま残ることを知った大部屋の仲間達は私が大部屋に戻るのを楽し みにしていただけに失望し私に反感を抱くようになってしまったのです。
後で思えば、遠慮せずに大部屋のみんなとワイワイガヤガヤと助け合いながらの生活 を選ぶべきだったと今でも反省しております。
入院生活は団体生活の場でもあるわけですから、みんなと協調しながらいい人間関係 ができるように努力することが如何に大切かを思い知らされました。

幸いなことに、その後歩けるようになってから私の方から大部屋に頻繁に通うようにして から、そのわだかまりも解けて打ち解け合うようになりました。
大部屋には毎日のように付き添いや見舞いの方が来られ、みんなと 歓談されるので何時も賑やかでしたし、看護婦さんもよく遊び に来るので退屈することはありませんでしたが差し入れのお菓子を分け合って食 べるので太り気味になってしまいました。
大部屋では酒も煙草も禁止されて口が寂しくなるため、さすがの男性達も普段は見向 きもしないお菓子につい手が出てしまうのです。

大部屋での生活費は、完全看護での入院代が1日につき1000円、食事代が 1日3食計で600円の合計1日1600円で済みます。 自宅で普通に生活しているより安く済むので、家に帰ると待遇が悪くなるのでしょうか退院 を延ばしてくれとせがむ老人が多いと聞きました。 私の場合、個室料金1日1万円と割り増しになり、手術代も嵩んだので全費用は約 100万円になりましたがこれで健康を取り戻せたわけですから安いものです。 後で医療控除を確定申告して10万円ほど税金が戻ってきて助かりました。


この病院の地下街には、スーパー、薬局、理髪店、レンタルビデオ店、喫茶店をはじめ カレー、そば、ラーメン、寿司、マクドナルド等の店があり、患者もに自由に入れますの で日常生活に不自由することはありませんが、酒類の自販機、酒屋さん、カラオケスナ ック等のアルコールを売ってくれる店が無いのに閉口しました。 ですから、淡泊で味気ない病院食を断って店で食事する人も結構多いのですが私は 全て病院食できれいに平らげたので看護婦さんに誉めらたほどでした。

但し私には、絶対食べてはいけないか、または食べられない3禁食が有ったのです。 それは、鯖、納豆、鳥で、これを入院時に文書に書いてお願いしておいたのです。
ですから看護婦さんは配膳する時に3禁食の有無をチェックするのに気を使い、ある 時は煮魚が鯖かどうか汁の中に鳥の出汁が入ってないかどうかをわざわざ厨房に問 い合わせることもありました。

鯖を食べると皮膚だけでなく気管支、食道にも蕁麻疹ができて呼吸困難になる恐れが 有るため、納豆のあの腐敗臭は嗅いだだけでも気分が悪くなるため、鳥は2本足で神 の仕えだから生涯食べてはならぬとの鳥年の父の厳命が有るために、私は生涯この 3禁食を口にすることは出来ないのです。

更に、パン、牛乳、チーズも次の3禁食で、これらを分解する消化酵素の分泌が私の場 合少ないため食べると下痢する場合が有るのです。 幸い病院食には時々しか出なかったので助かりましたが、外国旅行する時は本当に困っ てしまいます。

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